離婚届を勝手に出されることがある!?勝手に出されないための『離婚届不受理申出』とは?

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皆さん、突然ですが『離婚届不受理申出』という制度をご存知でしょうか。
簡単に言うと、一方のパートナーから離婚する意思がない、また意思はあるが、養育費の分担や財産分与等の取り決めをしないまま勝手に離婚の届出をされるのを防ぐ制度になります。

  • いつか離婚するんだから出されても問題ない
  • 離婚届って離婚の意思がないと無効でしょ?意思ないって言えばいいじゃん。
  • すぐ無効とかにできるよね?

と勘違いされている方もいると思いますが、離婚届を含む戸籍の届出については、市区町村の役所で一度正式に受理されてしまうと、その内容を訂正したり、無効とするには原則、家庭裁判所に無効確認の申立てをする必要があります。
それが認められれば、戸籍に訂正事項等が記載され婚姻中の状態に戻りますが、はっきり言って時間の無駄です!そんなことをさせないために、過去に約6年程、戸籍事務に携わっていた私(りゅんりゅ)『離婚届不受理申出』の手続き方法について解説します。

離婚届不受理申出の手続きについて一問一答形式でお話します

Q1 用紙はどこでもらえて、どこに出すの?
A1 お近くの市区町村の住民課窓口にあります。(支所や出張所等がある自治体ではそちらで配布しているところもあるので、電話で確認してみましょう!)
PDFでHPからダウンロードできる自治体もあるので、それを使っても大丈夫です。様式は各自治体で多少異なりますが、どこの自治体のものでも使えます。お近くの市区町村の住民課の窓口でご提出可能です。

Q2 提出する際に持ち物は?
A2 本人確認書類(免許証,パスポート,個人番号カード等)です。
顔写真付きの本人確認書類がなくても、保険証や年金手帳,社員証などを持参し、窓口で聴聞という質問事項に答えて、ご本人確認をするので、安心してください。

Q3 離婚届不受理申出をやめたくなったらどうすればいいの?
A3 『離婚届不受理申出取下げ書』を提出すれば取下げることができます。
また、申出をしたご本人が窓口に来庁し、適法に本人確認ができた場合は、離婚届不受理申出が出されていても、離婚届は受理されてしまいます。これは、離婚届不受理申出を提出している本人が正当な理由があり、本人と確認できたうえで提出している届出になるので、離婚の意思があると判断され、受理されてしまいます。逆を言えば、本人が来庁しても、本人確認が出来なければ受理されないということになります。

Q4 離婚届不受理申出をしたら、パートナーにばれたりしないの?
A4 基本的にはばれません。
離婚届不受理申出を提出しても、市区町村の役所から、相手方に対して、申出があったことを通知することはないです。ただし、実際に離婚届が提出され、あなたがした離婚届不受理申出によって不受理になった際は、離婚届をお返しすることになるので、離婚届不受理申出によって不受理にしたことが知られてしまいます。また、離婚届不受理申出をした本人にも、「あなたが令和3年8月30日にした離婚届不受理申出により不受理としました」という通知を基本的にはお送りするようになっています。なので、特に提出がない場合はばれることはないですが、実際に提出があった場合は知られてしまいます。

Q5 離婚届に署名はしちゃったけど印鑑押してないから大丈夫だよね?
A5 受理されてしまいます。
戸籍の届書は基本的に署名があれば印鑑は不要なので、署名してしまった場合はそれだけで届書の形式的に離婚の意思があると判断され、問題がなければ受理されてしまいます。よくドラマで離婚届に印鑑を押すシーンなどがあると思いますが、戸籍事務をしていた私からしたら、「それ押さなくても受理できるんだよなぁ」と心の中で思っていました(余談でした)

Q6 不受理申出って離婚しかできないの?
A6 離婚以外もあります。
婚姻届,離婚届,養子縁組届,養子離縁届,認知届の5種類について不受理申出が可能です。いわゆる、届出をすることによって法律行為が成立する創設的届出と呼ばれるものにあたります。出生届や死亡届等は不受理申出には該当しません。

離婚届が勝手に出される可能性がある方やすでに離婚届に誤って書いてしまった、脅されて署名してしまった!という方は、速やかに『離婚届不受理申出』を出すことをおすすめいたします。わからないことがありましたら、お近くの市区町村の住民課や戸籍課等で聞いてみてもいいと思います。丁寧に教えてくれるはずです。

パートナーと面と向かって話ができなかったり、手続きについて代わりに動いてほしいとのことであれば、弁護士等にお願いすれば、親身になって話を聞いてくれると思いますし、パートナーともあなたの代わりにお話しをしてくれると思いますよ。

本日は、『離婚届不受理申出』の制度についてお話しました。
昨今、3組中1組が離婚する時代だととも言われています。私が携わっていたときも年末年始や年度末、長期休暇の際に離婚届を提出する方が多くいた印象があります(年明けや年度初め、休み明けにいいスタートがきれるように?)。

この制度について、意外に知らない方がいたりするので、ぜひ今後人生のここぞというタイミングで利用していただければなと思います。

不受理申出について、戸籍について何か聞きたいことがありましたらお気軽にお問合せくださいね♪

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